シンデレラに恋のカクテル・マジック
「そうですよね……」
菜々の場合、貴重なバイト代を株に注ぎ込んで損などしようものなら、文字通り生きていけなくなりそうだ。
「でも、もし興味があったらチャートの見方とか教えるよ」
「あ、いえ、せっかくですけど、いいんです。昨日、家庭教師のバイトを一つクビになったところなのに、株取引に使う余裕はありませんから」
「そうだったんだ……。だからサンドリヨンに来たとき、あんな落ち込んだ顔をしてたんだね」
永輝に言われて、菜々は彼の顔を見た。
「私、そんなにわかりやすかったですか?」
「うん、まあ。だから、余計放っておけなくて店に誘ったんだけど、酔いつぶれさせてしまって悪かったね」
「いえ、いいんです。あれは自分の責任ですから」
菜々は首を振ってから、ふと気づいた。
「そういえば私、昨日、お金を払ってませんよね? おいくらですか? 食事の後で払います」
「いや、いいよ。無理矢理飲ませたのはこっちの方だし」
「いえ、そういうわけにはいきません」
「いやいや、朝、熱いキスをしてくれたから、あれでチャラにしておくよ」
永輝にニヤッとされて、菜々は目を見開いた。
菜々の場合、貴重なバイト代を株に注ぎ込んで損などしようものなら、文字通り生きていけなくなりそうだ。
「でも、もし興味があったらチャートの見方とか教えるよ」
「あ、いえ、せっかくですけど、いいんです。昨日、家庭教師のバイトを一つクビになったところなのに、株取引に使う余裕はありませんから」
「そうだったんだ……。だからサンドリヨンに来たとき、あんな落ち込んだ顔をしてたんだね」
永輝に言われて、菜々は彼の顔を見た。
「私、そんなにわかりやすかったですか?」
「うん、まあ。だから、余計放っておけなくて店に誘ったんだけど、酔いつぶれさせてしまって悪かったね」
「いえ、いいんです。あれは自分の責任ですから」
菜々は首を振ってから、ふと気づいた。
「そういえば私、昨日、お金を払ってませんよね? おいくらですか? 食事の後で払います」
「いや、いいよ。無理矢理飲ませたのはこっちの方だし」
「いえ、そういうわけにはいきません」
「いやいや、朝、熱いキスをしてくれたから、あれでチャラにしておくよ」
永輝にニヤッとされて、菜々は目を見開いた。