異世界の国を救う時間があるなら本を読みます。

ようこそ、勇者様方!


 現在。

 俺こと、由良 星々(ゆら ほしぼし)はまあまあ偏差値の高い学校に通う高校三年生だ。

 見た目は簡単に言うと『地味』に尽きる。

 クネクネと曲がった黒い癖毛に、前髪に隠れて見えない顔の上半分。
 運動は生まれてこのかたしたことがなく、線が細い体躯。
 しかし190cmという常識破りな高身長。
 世の中の運動しているが背が伸びない者たちを嘲笑うかのような存在である。

 そんな『モサモサヒョロリ』という言葉がぴったりな彼は、今日も授業を真面目に受けずに読書に没頭していた。
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