愛のゆくえ
遠距離恋愛となるふたりは、少しでもお互いを知ろうと家族や友達のことを話し出す。

尚人は、家が会社を経営していて自分が長男であることを紗菜に話す。紗菜は、お金持ちは苦手と苦笑いをする。
そんなにお金持ってないよと尚人が笑う。

尚人 うちさぁ。ネコとイヌ飼ってるんだぁ。
紗菜 そうなんだ。
尚人 ネコが8匹でイヌが1匹。

尚人は、ネコ8匹とイヌ1匹の名前を紗菜に教える。
ネコの名前は、ネコ達の特徴を紗菜に教えてくれる。
名前から想像できるネコの特徴を紗菜が言い始め、尚人は驚きを隠せずに反応する。

ふたりは、どんどんひかれあっているように思えた。

紗菜は、小さい頃イギリスで育った。
紗菜は、口癖で英語をたまに使う。

あいづちなども英語を使うので、自然と尚人も使うようになっていった。

イギリスは、男性が女性に甘い言葉をかけることが多い。
紗菜が生活していく上で愛していると言う言葉は、恋人や夫婦、兄弟でも日常で使われている挨拶にもにたフレーズだと認識があった。

実際、愛してるを半年言わないだけで離婚が成立する町すら存在していた。

イギリスの恋愛事情や生活習慣を日本と比較しながら尚人に話す紗菜。

紗菜は、日本語が苦手だった。
いまだに、右と左が迷ってしまう。
たまに、変な日本語を使ったりもした。

あげだしをとる…自慢気に話す紗菜にバイト先の阿部君が

阿部 あげだしじゃなくてあげあしだよね?
辞書であげあしって調べてごらん。
紗菜 だし汁を使って…
阿部 あげだし調べてどおすんの?あげあしだよね?

今日はアリが降るかもね…

阿部 もしかして、ヤリが降るじゃない?
アリが降るほうがめずらしいけど…

そんなやり取りを尚人は笑顔で見守る。

紗菜に彼氏ができたことをバイト先の仲間や店長は喜んだ。あまり笑顔を見せない紗菜がバイト中終始笑顔でいるからだ。

紗菜が姉のようにしたうあずちゃんは、尚人から着信中の紗菜の携帯を取り上げ尚人に

あず サァちゃんのどこが好きなの?
尚人 …。
紗菜 ごめんね。あずちゃんが勝手に出ちゃって。

紗菜をかえた尚人に紗菜を知る人達は興味があった。

誰もが紗菜のしあわせを願っていることはまちがいなかった。そして、相手が尚人であることに、安心していた。
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