イジワルな君に恋しました。





私だって、ちゃんと家から水着は持ってきている。


だからこれは悪いけど必要ない。





「こんな色気ない水着じゃ翼先輩に今以上に子供扱いされるわよ」



「なっ何でそこで奥村先輩が出てくるの?
てかいつのまに私の水着とってるの!」





花香ちゃんはいつのまにか私の水着を鞄から抜き取っていた。


それをひらひらして私に見せてくる。




取り返そうと手を伸ばすと、それをひょいっと私の届かない位置にあげる。






「早く着替えないと、遊ぶ時間が減っちゃうわよ?」



「うぅ……」





水着を返してくれる様子はないから、もう私はこの恥ずかしい下着みたいな水着を着なくちゃいけないの?



今は午前10時くらいとはいえ、海は久々だからたっぷりと遊びたい。




遊び時間を確保するには、覚悟を決めなくちゃいけない……。






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