コン…コン…コン…

階段を登る音は静かな廊下に遠くまで
響いた…。
まるでこの世界に
俺と瑠那しかいないみたいに。


ふと瑠那の寝顔を覗くと
瞳に涙を溜めて一筋の涙を流していた。


俺はそっと涙を拭ってやると
瑠那は夢から覚めるのを拒むように…
または、
少なからず感じ取った温もりから離れないように…

俺のYシャツを弱々しくも強く握り締めた。


ガチャッ…


屋上の扉を開けるとアイツらが待ってる…





俺でも想像できる、アイツらが眼を開いてアホ面してるところが…


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