~Reo side~

瑠那…



それが俺の求めた女の名前。


目の前で実際に見ると
その容姿は他とは比べ物にはならない程
魅惑のもので、美しすぎるその姿に俺は
手にいれたい衝動にかられた…。




だけど、




俺の中の狂暴なあいつは瑠那を怪我させてしまうんではないか…
その事に気にかけていると
不意に瑠那が俺の顔を見てきた。


すると

儚くも柔らかな笑みを浮かべて直後
それが許されないかのように
せつない眼をして嘲笑した…。


俺はそんな瑠那を
夢の中の瑠那と重ねて思わず
触れてはいけないとわかってたはずの
闇色に染まってる瞳のことを尋ねてしまった。


『何故、お前の目は闇に染まってるんだ。』



すると…





瑠那は固まって、眼には恐怖を浮かべていた。
俺は俺自身を怖がれるのは馴れているが、
明らかに俺が言った“言葉”にたいして
恐怖を抱いてる…。




お前はどんな闇を抱えてんだ。

それは俺にも抱えきれない事なのか?



『……の』

『は?』

何かを呟く瑠那…




『だからっ…

あんたに何がわかんの!!!!!!』



眼に一杯涙を浮かべた瑠那は
俺に力の限りの叫び声をあげて






俺じゃない…誰かにずっと謝罪しだした…



ごめんなさい、ごめんなさい、ごめん…



『おいっ!! 瑠那っ!!』




瑠那に呼び掛け続けたが
全く届かなかった。



俺は瑠那を止めるには
気絶させるしかないと思い瑠那の首に手槍
をした。


この時、瑠那の底無しの闇を
覗いた気がした。






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