君のために歌う歌


「んー、まぁまぁの入りだねぇ。」



郷愛はポジションを探しながら言った。



「多い方?」



宙子は着いていきながら聞く。



「うーん普通かなぁ。

『俺人気だから。』って言ってたからもう少しいるかと思った。

けど、まぁ普通にしたらいる方かなぁ。」



「言ってた割には少ないなってこと?」



「そうゆうこと。ここでもいい?」




郷愛が陣取ったところはステージの真ん前の少し右寄りのところだった。



「…一番前だね……ライブ初心者がこんなところいて大丈夫?」



「虎穴にいらずんば孤児を得ず!!!!!!」


郷愛は宙子にガオー!と言ってみせた。




「イケメン間近で拝まなきゃ!多分弾き語りだし、こんな感じの入りなら大丈夫だ!」



「そ、そうかなぁ……」



宙子は不安そうに言う。

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