君のために歌う歌


ドリンクチケットをもらった2人は、重めなドアを開けた。


中に入ると、


(あ、意外と狭いんだな。)


宙子はそう思った。



中には、すでに20人ほど人がいた。



テーブルの所にいる同い年位にしか見えない男性がタバコを吸っていた。


浴衣で着ている女子もいるが、メイクしていて、派手だ。



しかし、宙子のように大人しそうな女の子もちらほらと見られた。



高橋は奥の方で知らない人と楽しそうに話していた。バンドの知り合いだろうか。





まだ誰も立っていないステージにはドラムセットとキーボードが置いてあるだけで、ライブハウスの中は薄暗かった。




壁にはやはりチラシがたくさん貼ってある。



見上げた天井は配管がむき出しだった。
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