君のために歌う歌

収穫。

間もなく夏休みも終わり。


晴天が続いたある日、宙子は高橋と郷愛を呼び出し、ひまわりの種の収穫にあたった。


咲ききってこうべを垂れたひまわりは、夏の終わりを告げているようだった。


宙子は、花を切るハサミで、その大きな終わった花の付け根から切り取る。


郷愛も、

「介錯いたす!!」

と言いながら切っている。(ちょっと怖い)


高橋は、二人が切った花を受け取り、とりあえず箱に入れている。






中々の数があり、花を切るだけでも大変であった。


3人は最初こそはしゃいでいたが、段々と口数が減っていた。




宙子はパチンパチンと言うハサミの音を耳と手で感じながら、陽翔の事を考えていた。



ライブハウスで彼を見た以来、セミナーハウスの裏で歌っているのを見かけていない。
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