君のために歌う歌
学校の近くにあるペンギン印の総合量販店に着いた。



景品はうまい棒3本にする事になっている。


「おおお……うまい棒を大人買い出来るなんて…!!!」

郷愛はうまい棒コーナーの前で嬉しそうだ。


「何味がいいかな?無難にチーズサラミ明太子コンポタ?」


「それは間違いない!けどどうせならいろんな味買お!私シュガーラスク味が好き。」


「俺はたこやきのが好き。」


上の方から聞こえたのは、聞きなれた心地よい声だった。


「ひ、ヒロ!?」


やぁ、と現れたのは陽翔だった。


「わしの後ろに立つとは……お主なかなかやりおる……」


郷愛のボケを笑顔で華麗にスルーした陽翔は、


「買い出しでしょ?荷物持つくらいできるよ。」


と言った。


「え、うまい棒だからそんなに重くないけど……ありがと。ね、いつからいたの?」


宙子は不安になった。

さっきの会話を聞かれていたら。



「んー、坂をおりきったあたりでだね。」



宙子はホッと胸をなでおろした。
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