君のために歌う歌

「いやしかし彼はほんとにイケメンだったねぇ。」



郷愛がおばあちゃんの様な口調で言う。



その言葉に高橋が顔をあげた。



「郷愛ちゃんが言うなんてそれはよっぽどだな。」




宙子は口をつぐむ。




郷愛は続けて言った。



「まず顔カタチ、身長はもちろんのこと、中身がイケメンだわ。

私のあの奇行にビックリしても、その後、にこやかに自己紹介はできねぇよ普通。」




郷愛は立ち上がり、窓際のテーブルの上にのぼり、仁王立ちで言った。



「そこの高橋!!聞こえるか!!私だ!!!」
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