君のために歌う歌
高橋は、後ろの扉の入口のところで、ブレザーの裾を誰かに掴まれた。


「ん?」



掴んでいたのは陽翔だった。



「ねぇ君!」



「なんだイケメン君か。」



「バンド、出るの?」



「おう。出るよ。」



すると、陽翔はニコッと笑って言った。




「俺も出るんだ!よろしくね!」



「お、おう。お互い頑張ろうな。」

 

「俺、陽翔。君は?」



「章。」



「章!楽しみにしてるよ。」




そう言って握手を求めた。



高橋は少し困りながら握手を交わして、C組を出ていった。



自分たちの席から、宙子は何故かハラハラ、郷愛はニヤニヤしながら見ていた。
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