LOVE❤SONG
【病院-診察室:美咲】

あたしは自分の中で色々考えて、今日、両親と中井先生に話があると言った。両親も中井先生も何かを悟ったように、診察室へと案内された。

中井先生『じゃあ、座って。』
言われるままに椅子に座る。
中井先生『僕も君に話がある。でも、先に君の話から聞くよ。』
あたしは少し間を置いて話始めた。
美咲『...あたしは...何の病気ですか、?...』
中井先生『...先生も、その話をするつもりだったよ。』
中井先生がこれから話す事を受け止められるか心配で、何度も息を呑んだ。
中井先生『君の病気はね、多発性硬化症って言う病気なんだ。...簡単に言うと、体が上手く動かなくなったり、物がはっきり見えなくなったり、声が上手くでなくなったりするんだよ。』
息が詰まりそうになりながら、あたしは先生と話した。
美咲『...その...病気は...治るん...ですか...?』
中井先生『残念だけど、この病気は再発と寛解の繰り返しで、完治はしないんだ。手術しようにも、できない。』
お母さんもお父さんもあたしより先に泣いていた。一番先に泣きたかったのは、残酷な現実を突きつけられたあたしだ。
美咲『......最近、転ぶようになったのは......その病気のせいって事ですか、?』
中井先生『そうだよ。...もう、歩行障害が君には現れているんだ。辛いけど、頑張っていこうね。』
大粒の涙が床を濡らした。
悲しい声が、口から溢れた。


あたしにはやっぱり、この現実を受け止めるのは、難しかったみたい。










お母さん。......あたしはお母さんに、頑張るねって言えなかったね。あれからお母さんもお父さんもあたしに優しくしてくれたのに、あたしは......何もかも捨てる覚悟をしていたんだ。









#2 【完】




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