大嫌いな幼なじみと再会した場合。




劇が終わり、みんなが体育館を出ていくなか、私は一人、席で葵を待った。



葵を見に来ていたお客さんの子達や相手役の女の子は葵のことが好きなんだろうか。


もしかしたら今、誰かに告白されているかもしれない。



葵を独り占めしたい。

他の子に取られるなんてもっとやだ。





葵に告白したらどうなるんだろう。



やっぱフラれるよね。


本人に今のお前は全然好きじゃない、って言われてるし。




もっと

髪が長かったら…



そっと自分の伸ばしかけの髪に触れた。



「恵麻、待たせた」



その声に振り向くと、

舞台上とはまた違う優しい笑顔が私に向いていた。



「ううん。最初ね、ここ行きたい!」




もう少し髪が伸びるまで



誰のものにもならないで。


そしたら私は告白する。








大嫌いな幼なじみに再会した場合⑨

告白の決意をする。








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