夜ー闇に隠された瞳の奥ー
歩いて1時間半くらいして、学校に着いた。
畜生。
寄り道しすぎた。
でも仕方がない。
道に捨て犬がいてそいつにミルク買ってやってあげてたら遅れただけだ。
私の良心が働いたんだ。
うん、仕方がない。
ガラガラッ
教室のドアを開けると、まぁ、うん。
授業中だよね。
てか、不良が揃いも揃って授業真面目に受けてるって。
変な図。
怖いわ。
私は静かに自分の席に着いた。
「上原さん、遅刻ですよ」
女の先生だ。
すごい、ドラ◯エに出てくるグールみたいな顔。
写真撮りたい。
「上原さん、聞いているんですか?」
「………まぁ、はい」
「何ですかその態度は!周りの生徒を見なさい!みんな精神を研ぎ澄まして私の授業受けているんですよ!」
研ぎ澄まして……ぷぷっ。
よく見ろよ、おばさん。
夜の人達なんて寝てる人いればなんか食ってる人もいるし、ハッキングしてるやつもいる。まわりの不良なんて、目ぇ開けたまま寝てんぞ?
「な、なんですか!その目は!」
目、ねぇ。
「普通にしてるだけですよ?」
「〜っ!その人を馬鹿にしたような、見下したような目で見て!」
あ、バレてた。
「罰として私がこれから書く問題、解きなさい!」
めんどくさ。
そんな私の気持ちをよそに、おばさん先生は黒板にかたっ苦しい問題を書き始めた。
「ほら!解きなさい!」
私は嫌々ながらも黒板に向かった。