私の仕事と結婚
そんな風に言われると、私も弱い。

思わず苦笑いをする。

それに野崎さんは敏感に反応する。

「これは嫌味ではないんですよ。きちんとした発注には、こちらもきちんと答えなくてはと思っております。おかげで他の現場より桜井さんの現場を優先させてもらってます。」

意味ありげに私を見る野崎さん。

「彼女は仕事に厳しいですからね。野崎さんのやり方は正しいですよ。」

横山さんはうまくフォローをしてくれる。

その後の現場とこれまでの成果の確認をし、お互い席を立つ。

「ではこれからもよろしくお願いします。私はこれで。」

一足先に横山さんは席を立つ。

その後姿を、礼をしたまま見送る野崎さん。

「玄関までお送りします。」

二人きりになると、私はそう野崎さんを促そうとした。

野崎さんがパッと顔を上げた。
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