幻恋【続】
えぴろーぐ。

*********


……あ……れ…?

…こ、こは、どこ……?

どこを見渡しても、真っ暗闇。

チャプチャプと、水に浸かっているような感覚に襲われる。

すると突然、遠くから何か聞こえた。

よく耳を凝らすと、それは何とか聞き取る事が出来た。


“……ぉーぃ、お母さんだょ……”

“お父さんだよぉ……”

“ぁはは……ヤストったら……”

“…んだよ、俺がそんな事言ったらなんか悪いか……”

“悪ぃ~……”

“何だとぉ~……”

何だろう……なんか、聞き覚えがある。

この優しくてホッとする声。

君は……

駄目だ……思い出せない。

でも…君と僕は、いつか会ってるよね?

“ははは、バカだろ、ハルカ……”

“バカじゃないもんっ……!”

ハ…ル…カ……?

やっぱりなんか覚えがある…。

でも…やっぱり、思い出せない。

その途端、凄い睡魔が襲って来た。

はぁ…眠いし、ひとまず寝ようかな。

僕は、静かに目を閉じた。



「…ふふふ。
早く、元気に生まれて来るんだよ…。
私の、赤ちゃん。」


-----END-----















< 22 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop