青空の向こうから
第一章 旅立つ貴方
貴方がこの街から去って一夜明けました

元気にしていますか?

何て昨日の事なのにずっと昔の事の様に思います

私と貴方は小さい頃からずっと一緒で

この先もずっと一緒だと思っていました

貴方の突然の転校

お父さんの転勤だから仕方ないです

でも私は突然過ぎて声も出ませんでした

一週間後には旅立つという知らせに私は良くわからない変な気持ちでした

貴方と過ごした16年間が凄く短く感じて

16年しか一緒にいられなかったと思うと凄く悲しくなったのです

私は強がって素っ気ない言葉を口にしてしまいましたがホントは凄く辛かった

旅立ちの日私は貴方との最後の時間を過ごそうと空港に行きました

けれど私は何も話せずずっと黙り込んでしまっていました

飛行機の出発時間が刻一刻と迫っているのに私は何も伝えられなかった

貴方はまたきっと会えるよと私の頭を撫でてくれましたね

私は凄く嬉しかった

けれど

これでさようならだと思うと嬉しさよりも悲しさが込み上げてきて

何か言おうとしたのに何を言おうとしたのか忘れてしまいました

私が言った最後の一言はバイバイ

もっと言いたい事はあった筈なのに私はそれ以上何も言えなかったのです

飛行機が飛び立ったあと私は声を殺しながら泣きました

家に帰っても私は上の空でただ涙だけを流していました

貴方はもうずっと遠くにいるそう考えると凄く胸が痛くなるのでした

貴方が側にいなくなっても時は悪戯に過ぎてしまいます

部屋には朝陽が差し込んで独り膝を抱え込んでいる私を照らし出します

貴方も今この朝陽を見ていますか?

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