溺愛オフィス


壮介君のほんのりと冷たい手が、私の手首を掴んで。


ガラス玉のような瞳に苛立ちを滲ませて、私を真っ直ぐに見つめた。


「そ……そー…すけ、君?」


突然のことに、思考が追いつかない。


ただ、掴まれた手首が少し痛くて。


雰囲気が、怖くて。


逃げ出したい気持ちを必死に押さえ込みながら……


「は、なして」


搾り出すようにそれだけ言葉にした直後。


「……やだ」


彼は、否定してから再び唇を開く。


続く言葉は



「好きだから、離さない」



想像もしていなかった



告白の言葉だった──‥














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