溺愛オフィス


このビルには社員食堂がある。

私も何度か利用したけれど、美咲が【リラッサンテ】を気に入っているので、数えられる程度しか行ったことがない。

ちなみに、今日は美咲が外に出ている為に1人ランチの予定だ。

久しぶりに社食で食べようかと、鞄に手を入れた時。


「ねー、柊奈さん。今日は相方いないの?」


隣でまだパソコンと向かい合ってる壮介君に声を掛けられた。

相方とは、美咲のことだろうと解釈して私は頷く。


「うん。お店まわってるみたい」

「じゃあ、一緒に飯行く?」


キーボードから手を離し、壮介君は微笑みながら私を誘ってくれた。

断る理由もない私は、二つ返事で壮介君の誘いに乗って彼と二人、ビルを出た。


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