溺愛オフィス


祖母の話では、どうやら大事には至らなかったようだ。

けれど、三週間ほどは入院するようで、近いうちにお見舞いに行ってやってくれと言われて。

それから、病院の名前を教えられ……

私は、通話を切った。


お見舞いに行きたい気持ちはある。

けれど……まだ怖いのだ。

会わなくなってから年月はたっているのに、思い出すだけで心が沈む。

嫌いなわけじゃない。

でも、自分がこんな風に男の人が苦手になってしまったのは……


父親が原因だから。



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