LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「どうしたの、師央くん? さっきの人、知り合い? 何かあったの?」



師央は胸の前で拳を握った。


ちょうどそのあたりに、鎖を通して首から提げた白獣珠があるはずだ。


師央は言葉を選ぶように、切れ切れに告げた。



「あの人は、カイガさん。そう覚えておくように、と言っていました。ぼくは、一度だけ、会ったんです。でも、きっと、あの人のことは何も話せません。“代償”に、引っ掛かってしまうから」



師央は歩き出した。


オレも鈴蘭も歩き出す。



胸騒ぎがする。


何かが大きく動き始めている。


今もまた、白獣珠の鼓動が速い。


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