LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


師央が嗚咽混じりに言った。


潮風に消されそうな声に、オレは耳を澄ます。



「話せないんです。なぜ、ぼくがここにいるのか。何が起こったから、ここへ来たのか。話そうとすると、声が消える。書こうとすると、手が動かない。伝えられないんです」



亜美さんが、母親が子どもにするみたいなやり方で、ふわりと師央を抱き寄せた。


ライダースーツ姿なのに、ひどく優しげだ。



「師央って不思議だな。守らなきゃいけないって思うんだ。親のことで泣くの? あたしね、なんか思ったの。あんたの親代わりに守らなきゃ、って。無理しないでいいよ、師央」


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