LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレと海牙は同時に跳び離れた。


オレは腰を沈める。


海牙は突っ立っているだけだ。



「何しにここへ来た?」



「煥くんたちと話をするために」



「どうやって来た?」



「ぼくは二輪車の免許を持ってないんです。この二本の脚で十分だからね」


海牙は、にっこりと笑った。


そして跳躍した。予備動作なしで、身長の倍以上の高さまで。


高すぎる。あり得ない。



空中で海牙が身を縮める。


落下が始まる。左脚を蹴り出しながら、オレのほうへと。



オレは、よけない。


勢いを受け流しながら、海牙の体を絡め取る。巻き込んで倒れる。



「つかまえたぜ」



馬乗りになる。


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