LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


放課後に校門の前で、と海牙は言っていた。


何時にとか、案外ごった返してる校門付近のどこでとか、具体的な指定はなかった。



「ちゃんと合流できるでしょうか?」



師央も心配していた。


が、何の心配もいらなかった。


女子って、声高に噂話をするもんだよな。本人の耳に入りそうな場所で。



「あの制服、大都だよ。偏差値七十五がザラなんでしょ?」



「頭いい上に超イケメンじゃん! 背ぇ高いし、モデルみたい」



「大都にも、あんな人いるんだ~。しかもお金持ち?」



「だよね、大都だもんね」



女子の視線が集まる先に、いた。


グレーの詰襟の海牙が、軽く街路樹にもたれている。


傍らにスポーツバッグがあった。


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