LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


そうだ。運命の改変がうまくいったら、十五歳の師央は、オレたちの高校生活に戻ってこない。



理仁は、師央の頭をわしわし撫でた。


それから、朱獣珠をつまんだ。



「聞け、朱獣珠。おれの声に応えろ」



朱い宝珠の中心に、光が宿る。光は鼓動する。



理仁が、祈るように目を閉じた。



「おれの願いを聞け。運命の一枝を変えるために、ループする不幸を取り去るために、おれたちが笑って過ごせる未来のために、四獣珠の預かり手を跳躍させろ。時間跳躍《タイムリープ》して、未来へ。願いの代償は、朱獣珠!」



朱獣珠の光が一瞬、収縮した。


そして、圧倒的な勢いで弾けた。


朱獣珠が四散する。



オレは、存在そのものを吹き飛ばされた。


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