LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
寧々と尾張兄弟がいなくなって、安豊寺が立ち上がった。
「わたしも、お暇します。軽音部の練習を邪魔しちゃいけないし」
兄貴が機材をいじる手を止めた。
オレを見る。
イヤな予感しかしない。
「煥、鈴蘭さんを送ってやれ」
やっぱりな。一応、オレは無駄な抵抗を試みる。
「兄貴が行けよ」
「煥がエフェクトの調整をするか? 固まってないアレンジを固めて、今度のライヴの契約書作って、パンフの原案を起こす? バンド関係の用事もろもろと、送るのと、どっちが煥の仕事かな?」
オレは、薄いカバンを肩に引っかけた。
「来い、安豊寺。家まで送る」