ハートブレイカー
直哉のこともある。
彼が言ったとおり、あの晩直哉はうなされ、そしてお漏らしをした。
でも翌日の夜からは、その日配達された新しいベッドに、直哉はひとりで寝た。
最初直哉は「ママといっしょがいい」と泣きそうな顔で彼に訴えたけど、彼はそれを聞き入れなかった。

「ママは隣の部屋にいる。何かあれば必ず行く。パパも行く。だから今日からはひとりで寝てみろ。できるか?」
「う・・ん」

健気にそう答えた直哉は、やっぱりその晩もうなされた。
でも声を聞いた私たちが直哉の部屋へ駆けつけたら、安心したのか、すぐ眠った。

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