ハートブレイカー
「お手伝いしましょうか」
「あらいいのよ。あなたはお客様なんだから、ゆっくりしてて」

「お客様」か・・・。
「直哉の母親」じゃなければ、ここの「お客様」にもなりえなかったはずだ。

そう思ってしまうのは、お母様の言い方に、いつも棘を感じてしま うから。

「だいぶ顔色も良くなったし、少しふっくらしてきたわね。まさかまた妊娠したの?」
「してませんっ!」

ていうか、まだ生理戻らないし。
でも排卵は起こってるようだから、注意はしないと。

それより相手がいないって!

「母さん、急かすようなこと言わないでくれ」
「は?急かすって・・」

そのとき、「ママーッ!」元気な声が聞こえ、直哉とお父様(会長さん)が手をつないでこっちへ来た。

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