ハートブレイカー
彼の眉間にしわが寄った。
と思ったら、端整な顔が左にそれて、またギュッと抱きしめられた。

「・・・おまえは・・・」というつぶやきと、フーーーッと長すぎるため息が聞こえた。

「俺が“いる”と答えたら、おまえはそれを信じるのか?」
「それは・・・信じる。でも・・信じたくない、かもしれない、です」
「長すぎる回答だが、まあいいだろう」

って何それ!どこまで上から目線な俺様・・・。

「もし俺が彼女の立場だったら、事情はどうであれ、自分以外の女を家に連れ込んだと分かった時点で即別れるか、それでもそいつのことが好きなら、女を追い出して自分がそこにのさばるだろうな。 ま、そういう女とつき合う気は、今までもこれからもないが」
「あぁ、なるほど・・・」

何か、分かったような分からないような・・・。
それが顔に出ていたのか、彼がおかしそうにククッと笑った。

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