ハートブレイカー
「・・・ごめんなさい」

あなたの心を壊して、ごめんなさい。

言いたいことが通じたのか、彼が手を握ってきた。

「俺はおまえの味方だ。たとえ世界中のやつらが敵でも、俺と直哉と、もしかしたらこれから生まれてくる俺たちの子どもと」

飛んでる発言に、ついクスッと笑ってしまった。

「・・・マナ。おまえ自身は、おまえの味方だ」

やだもう。
もっと泣かせるようなことを言う。

「俺たちもおまえの味方だ。永遠に」

あ、もうダメ。
流れ出る涙も構わず、私はコクコクとうなずいた。

「だからもう俺から逃げるな。逃げても再会できたんだ。おまえは俺から逃れられない運命なんだよ」
「そんな、こじつけ・・・」
「こじつけでもいい。もうおまえを離さない」

皮肉にも、彼に心を壊されたと思ったとき、私にも心があったんだと気がついた。
彼の子を生み、直哉を育て、そしてまた彼に再会して・・・彼に壊されたと思った私の心は、少しずつ、ゆっくりと、そしていつの間にか修復されていた。

いや、少し違う。
以前より強く、そして優しく、しなやかに、私の心は生まれ変わった。
< 215 / 223 >

この作品をシェア

pagetop