ハートブレイカー
不意に浮かんだその考えを打ち消すように、私は両目をギュッとつぶった。

そうだとしても、あの人を頼るつもりはない。
今更でしょ、ホント。
直哉は、私の子どもだ。私の。

「ママ?どうしたの?」
「・・・ちょっと抱っこさせて」
「うん・・・。ママ?」
「なあに?直哉」
「だいじょうぶ」
「・・・大丈夫」

私たちは顔を見合わせて、ニッコリ笑った。

「ぼく、ママのことだいすき!だからだいじょうぶだよ」
「うん、そうだね。ママも直哉のこと大好きだもん。大丈夫だよね」

・・・この子に「だいじょうぶ」と言われると、本当に大丈夫だと思えるから不思議だ。
体の奥から力が湧いてくるのを感じる。
また元気とやる気が出てきた。

がんばろ。

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