光の少女Ⅱ【救出編】
神蘭と話をしていると、扉が叩かれ、外から開かれた。


「おい!」

「えっ?あ、風夜。どうしたの?」

「どうしたのじゃないだろ?呼びにいって、戻ってこないから、もう食べ始めてるぞ」


呆れたように言われ、花音は時計を見る。

神蘭を呼びに来てから、いつの間にか三十分経っていた。


「あ、あはははっ」

「ったく、ほら行くぞ」


風夜がそう言って、踵を返す。それに続こうとして、神蘭が動かないことに気付いた。

神蘭の目は、寝かされている三人の方を向いている。

それが気になって、視線の先を追うと、その三人がうっすらと目を開いていた。


「千歳!星華!昴!」

「・・・神蘭・・・様・・・」

「まだ、起きなくていい。無理はするな」

「神蘭様、私・・・」

「すまなかったな。お前達を守れなくて・・・。でも、またこうして会えてよかった」

「それは、俺達もですよ。神蘭様」


気が付いたらしい三人と話す神蘭を見ながら、花音は風夜と顔を見合わせる。


「神蘭さん達の分は、また後で用意してもらおうか」

「そうだな」


そう話すと、二人は静かに部屋を出た。
< 70 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop