あの頃のキミは

そういえば
凪くんと面と向かって話したの
久しぶりだ…

やっぱり凪くんは
他の男の子とは違う…

「…恭介先輩に触られても全然ドキドキしなかった…むしろゾワッとして…でもっ、もう大丈夫だから!気を付けるし…」

「ねぇ…」

私の両手をふわっと凪くんが包む。

「誰と比べてるの?誰と比べてドキドキしなかったの…?」

凪くんが急に顔をこちらに近づける。

ドキン…ドキンと自分の心臓が煩い。


そ…そんなのっ、わかりきってるでしょ?!
この間の教室であんな話したんだからっ!!


「い…意地悪…」

「絵麻にだけね」

「なっ!!……あの日以来ドキドキしたことなんて、他になかったもん……」

なかなか返答がないから顔をあげると

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