金魚の恋
俺は知らなくても良かった
無垢なまゝでも 後悔はしなかったろう
何よりも俺は 自由が欲しかった


そうさ、君は
 甘い口づけで僕に 春を呼んだ
 その密の香りで僕の体を包み
 歓喜の世界へと 導いた

そうさ、君は
 俺の卑屈な心を和らげ 素直さをくれた
 俺の幼い心を開かせ 大人の心をくれた

そうさ、君は 
 俺の心から自由を奪い取ってしまった
 俺の心の全てを 君は埋め尽くしてしまった

あゝそうだよ
 何をするにも まず君のことを考えてしまう

だけど、だけれども
 何よりも俺は 自由が欲しかった

だから今
憎いほどに愛してる君を、今、今、殺したい!

           
白いタバコの煙りが
朝の光に とけこんで
枯れていたのは 窓辺のリラ
         
犬の遠吠えの 哀しい色に
太陽の目覚めが 始まる
 
その夕べには      
窓辺のリラも
実を付けるだろう


水たまりの中で
冷たい風に吹かれ
小さくなっていたのは 青空

マロニエの並木道を 今日もまた
若い二人は 歩いたのです
 
月は冷たい眼鏡で見ることなく
その夜だけは 雲に
隠れることでしょう
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