銀猫ー最強歌姫の再来ー
 (何か花壇でも作ればいいのに…。そうすれば、私毎日水やりして、暇を潰せるんだけどな…。)

 そんな事を思いながら、敷地を出た。

 暫く歩いて、奏雨は路地裏へ入った。

「きゃあ!やめてよ!」

「うるせぇ!黙れ!」

「兄貴、はやくやっちゃいましょーよ!」

「いや、いやぁ!」

 女性の悲鳴が聞こえ、奏雨はフードを深く被り、声のする方へ向かった。

「何をしているの。」

 奏雨は少し悲しそうに、男達に声をかけた。

 すぐ後ろには、泣き崩れ、男達に襲われる寸前だった少女がいる。

 (私と同じくらいの子……。最低…。)
 
< 36 / 101 >

この作品をシェア

pagetop