私の身体と心
いつもは部屋に入るまで、私に触れてこない彼の予想外の行動にびっくりした。

その言葉を飲み込むようにキスをしてくる。

私は目を丸くする。

「何かあったの?あなたらしくないのね。」

私は言った。

彼は何も言わず、私の肩を抱くと、そのまま部屋へ入って行った。

「風呂水入れてよ。」

この辺はいつもの通りだ。

何となく釈然としないまま、私は風呂場へ向かう。

お湯の温度を確認しながら、いつもと違う彼の事を考えた。

仕事で大きな失敗でもしたんだろうか?

いつもは淡々としているのに。

私は少し考え込んでいたようだ。

「どうした?」

彼が風呂を覗き込んでいた。
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