私の身体と心
「えっ?」

思いがけない聡美の言葉にびっくりする。

「私の恋愛話を、いつも一方通行で聞いてもらってばかりだものね。」

同意を求めるかのような聡美の表情。

「私は聞き上手なのよ。」

私は自慢げに言う。

「違うわ。侑希は聞き上手じゃなくて、自分の事を話さないだけ。だから私はこうやって出かける友達として、認められていないのかとずっと悩んでた。」

ちょっと悔しそうな聡美の顔を、私はじっと見つめた。

「聡美は会社で一番気を許している友達よ。」

私はずっとそう思っていた。

「だからこないだ村木から侑希と出掛けた時の話を聞いたの。その時、私は侑希の事を何も知らなかったんだって気が付いたのよ。侑希が話さないのなら、私が話すように仕向けたら良いんだよね。」

それからの聡美は凄かった。

村木の事を始め、私の事で知りたいと思っていた事を、矢継ぎ早に質問してくる。
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