傘をどうぞ。

もう傘を買うと決めてしまったし、

せっかく彼女が選んでくれたのだから。

僕は白い傘を買うことにした。

「ありがとうございます。これいただけますか?」

そう言うと彼女は今日1番の笑顔で返事をしてくれた

綺麗な顔立ちがより引き立つ

初めて会ったときの無表情な少女とはまるで別人のように、美しかった。

「はい。お買い上げありがとうございます。今、この店では傘の持ち手に無料で名前を掘るサービスをしているんですが、どうなさいますか?」
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