卯月の恋
「宮内、お給料は大事に使えって言ったよね?よりによってホストクラブにはまるなんて…」

秦野さんはお花が刺繍された白いハンカチを取り出して、目頭を押さえる。


「違いますよ。隣の部屋の人なんです」

私は玲音との出会いを最初から全て話した。

と、言ってもそんなにたくさん情報はなかったのだけど。

知ってるのは、名前(それも源氏名だし)とホストをしてるっていうだけ。



「なるほどね」


話を聞き終わると、秦野さんはケロッとして白ご飯を注文し、残ったカレーうどんのお汁で食べ始めた。


「泣いてたんじゃなかったんですね…」

「でもホストかぁ。あたし的にはかわいい宮内がホストに騙されそうで心配だなぁ」

「そんな…騙すような人じゃないと思います」

だって、あんなにきれいな目をしてる。

秦野さんは、はぁぁ、とため息をつく。


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