卯月の恋
「バッカじゃねぇの」


玲音の言葉に、また涙が出そうになるけど。

私は笑って答える。


「うん。私バカだと思う」


玲音は、諦めたように、はぁぁとため息をついた。


「俺ホストだから、女いっぱいいるよ?」


「うん」


「平気で嘘つくし、平気で女泣かすよ?」


「うん」



「……」



「…でも好きなんだもん」




「…じゃあ勝手にしろ」



「言われなくても、勝手に好きでいる」


玲音は手のひらをどかして、私をちらりと見た。



「俺に期待するなよ」



「期待したりしない。だけど、木曜日はこれからも一緒にご飯を食べたい」


好きになってほしい、とか、ひとりじめしたい、なんて言わないから。


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