卯月の恋
「わかった」


ため息とともに、玲音はそう呟いた。


「よかった」


ホッとして、思わず頬がゆるんだ。


玲音はそんな私をドアにもたれかかって、じっと見た。

薄茶色のきれいな瞳で。



この人がものすごく悪い人だとしても。
私のことを好きになってくれることはなくても。


私は決めたから。


好きだからそばにいる。
どんなに傷つけられたとしても、構わない。



先が見えない真っ暗闇の中を突っ走るような恋だけど、その先にいるのが玲音なら、私は怖くないよ。




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