真っ赤なお伽話
「できれば久しぶりしたくは無かったんだがな。」
どこかで聞いたような台詞を吐く警部。
胸ポケットからハイライトを取りだし、口にくわえ火を付けた。
「年長者が口にくわえたら火をつけるぐらいの甲斐性見せろよ、小僧。」
「僕は愛した人の心と煙草にしか火をつけません」
警部は小さく笑みを溢し、煙をゆっくりと吐き出した。
「殺人事件の話しか?」
「話が早いですね。」
「まぁ、ビジネスパートナーだからな。」
そう言うとA4サイズの封筒をバックから取り出し、僕に手渡してきた。
「一応、捜査で分かった情報が入っている。」
封筒は厚さで言えば一センチぐらいであった。
読むのに骨が折れそうである。
「・・・姉さんは元気か?」
「どうですかね?あいつの事だからそう簡単には死なないでしょうが。」
無機質に僕は応えた。灰のみとなった煙草を押し付け消した。
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