空模様

4:目が覚めて

12,もうひとり

小鳥たちが囀り始める少し前の時間。

空はまだ暗く、町は眠る。

家も寝ている。あのアパートも。

木も鳥も空も…

そんな中、僕は目覚める。

すべてが眠りにつく中、自分独りだけが起きている。

そんな気持ちになってくる。

そんなわけ無いのは、もちろん分かっているのだけど。

なんだか切ない気持ちになって顔がうつむいてくる。

あぁ…






===『あの僅かな時間を見るために、早起きするんです!』===

ふと、昨日の出来事がよみがえる。

そうだ、

リコーダーの、あの人がそんな事言ってたな…

真っ暗な闇に、独り取り残されたような気分になっていた僕だけど、

「昨日の人も起きてるのかな…」

そう思うことで、少し楽になった。




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