◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~


「暁の姫目覚める時、イルヴァーナは百年の繁栄の世を終え、終焉へと導くであろう」

「射殺せ!!」


国王の言葉に、数十の矢が魔法使いへと向かったが、魔法使いはその矢を魔法で止めた。


「暁が、長き夢を終わらせるであろう」


魔法使いはその予言を伝え、煙のように姿を消した。


「…………なんという事だ。魔法使いの予言は、呪だ。暁の姫が目覚めれば、イルヴァーナは終わる……」


暁の姫………イルヴァーナの終焉を何としても消さなければと国王は考える。



「12の魔法使いよ、楽園を守るためにもう一度、暁の姫を百年眠らせよ。この長き夢が覚めぬように」


そう、暁の姫は12の魔法使いにより百年の眠りについていたはず。今日で、その百年目を向かえたのだ。



「承知いたしました。ですが国王陛下、そんなに思い悩む事はありません」


「というと?」


「眠りから覚めたばかりの暁の姫は、まだ力に目覚めておりません。そこを狙うのです」


眠りについている間、暁の姫を殺そうと手を尽くしたが、その前に兵士達が倒れ、眠りについてしまった。


暁の姫の力が無意識に働いているのだ。
だが、目覚めたばかりなら平気だというのか。

















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