もしも緑間くんと恋をしたら
「斉ちん、ごめんね」
紫原くんがしゃがんで、私の手を掴んだ。
手に持っていたはずのポテトチップスは、一旦置いて私のことを気にしてくれている……。
「……どうしてキスなんてしたの?」
私は目にたくさんの涙を浮かべて、紫原くんに訊いた。
今にも零れそうなほど、瞳には涙が溜まっていて、視界が滲む。
「好きになったから、じゃダメなの?」
紫原くんは緑間くんには無いくらい、素直で正直で無邪気だった。
まばたきをすると、二粒しずくが落ちた。
「好きなものは何でも食べたい……?」
「うん」
紫原くんの子供みたいな言動に言葉が出てこない。これって怒るべきなのだろうか。
「私……緑間くんに好きだよって言ったあとだったの」
また二粒、涙がこぼれる。
紫原くんは、そんな私の手を引っ張って、近くのベンチに座らせた。
そして彼は、その隣に座った。
―ギュッ
座ったあと、紫原くんが大きな体で私を抱き締めてきた。
そして、髪を撫でて、何も言わずにただ抱き締めてきた。
「紫原くん……」
「どうしていいか分かんない……泣き止んだ?」
そう言って私の顔を覗くが、涙が渇くことはなかった。
『紫原!』『紫っち!』『紫原くん!』
三人が慌てて追いかけて来たが、目の前の状況に困惑していた。
「あー、見てたのー?」
相変わらずな口調で紫原くんは続ける。
「緑間は?」
「この子泣かせて帰ったー」
「お前なぁー……」
「斉藤さんを泣かせたのは、紫原くんですよ」
「俺なのー?」
まったく、と言いながら青峰くんが溜息をついた。
黄瀬くんも黒子くんも困ったような顔をしている。
「いや、私が悪いんです。私が隙があるから……」
紫原くんがしゃがんで、私の手を掴んだ。
手に持っていたはずのポテトチップスは、一旦置いて私のことを気にしてくれている……。
「……どうしてキスなんてしたの?」
私は目にたくさんの涙を浮かべて、紫原くんに訊いた。
今にも零れそうなほど、瞳には涙が溜まっていて、視界が滲む。
「好きになったから、じゃダメなの?」
紫原くんは緑間くんには無いくらい、素直で正直で無邪気だった。
まばたきをすると、二粒しずくが落ちた。
「好きなものは何でも食べたい……?」
「うん」
紫原くんの子供みたいな言動に言葉が出てこない。これって怒るべきなのだろうか。
「私……緑間くんに好きだよって言ったあとだったの」
また二粒、涙がこぼれる。
紫原くんは、そんな私の手を引っ張って、近くのベンチに座らせた。
そして彼は、その隣に座った。
―ギュッ
座ったあと、紫原くんが大きな体で私を抱き締めてきた。
そして、髪を撫でて、何も言わずにただ抱き締めてきた。
「紫原くん……」
「どうしていいか分かんない……泣き止んだ?」
そう言って私の顔を覗くが、涙が渇くことはなかった。
『紫原!』『紫っち!』『紫原くん!』
三人が慌てて追いかけて来たが、目の前の状況に困惑していた。
「あー、見てたのー?」
相変わらずな口調で紫原くんは続ける。
「緑間は?」
「この子泣かせて帰ったー」
「お前なぁー……」
「斉藤さんを泣かせたのは、紫原くんですよ」
「俺なのー?」
まったく、と言いながら青峰くんが溜息をついた。
黄瀬くんも黒子くんも困ったような顔をしている。
「いや、私が悪いんです。私が隙があるから……」