恋に一番近くて遠い君



「いやー陽生かっこよかったなー。」


遠くの方でクラスの男の子と騒いでいる陽生君を見ながら陸玖が呟く。


「そうだねー。あの場面でクラス企画の案を思いつくなんて。」


陽生君の提案がなかったらクラスの出し物は決まってたのかな?ううん、きっと決まってなかったと思う。



「美海ー!」


「天良、どうしたの?」


「あのね、美海にお願いしたいことがあるんだ。」


「お願いしたいこと?」



「そう!美海にね、法被のデザインを考えて欲しいんだ!」


え?


「えぇぇぇぇぇぇ!?!?」


そんな大事な仕事をなんで私が!?



「天良!考え直そう!」



「ううん、私は美海にデザインをお願いしたい。」



「なんで?...なんで私なの?」


私が法被のデザインを考えても...みんなに迷惑をかけるだけだよ。


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