恋に一番近くて遠い君


もう耐えられなくて後ろを向いて走り出す。


後ろで陸玖が私の名前を叫ぶ。


それでも私は足を止めずにただただ走った。何回も人にぶつかった。走り続けてたどり着いたのは屋上だった。



花火が打ち上がるから見るために人がいるかもって思ったけど屋上には誰もいなかった。



こんなに走ったのは久しぶりすぎて息ができない。


ゆっくり呼吸を整えていく。



背中をドアの横の壁に預けて座り込む。
頬には次から次へと涙が流れてくる。



私、失恋しちゃったんだ。



頭にあるのはその事実だけ。



告白して振られたわけじゃないけど、幼馴染みとしか思ってない人から告白されても付き合うことはない。



だから私は失恋したんだ。



私は誰もいない屋上で一人声を殺して泣いた━━━


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