恋に一番近くて遠い君


「美海?」



私がついてきていないことに気がついたのか陸玖が振り返る。



「美海何してるんだよ。ほら」



陸玖の手が伸びてくる



━━パシッ



無意識に陸玖の手を叩いてしまった。



「美海?」



泣いてること気づかれなくて下を向く。



「美海どうしたんだよ」



「……なんだ」



「え?」



「…やっぱりそうなんだ」



乾いたような震えてるような声が出る。
声を出しすぎると泣いてるってばれてしまう。



それでも声を振り絞って言った。



「陸玖にとって私はずっとただの幼馴染みだったんだね」

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