恋に一番近くて遠い君
そう思った私と陸玖は次の日の朝いつもの時間よりも20分前に集合した。



すると案の定、天良も家から出てきた。



「え、まだ行く時間じゃないよ?」


天良はもう外にいた私たちを見て驚いた顔をしていた。



「それはこっちのセリフだよ。お前こそ出るの早いじゃねーか」


「天良、何かあった?昨日陽生君と先に帰っちゃって今日の朝も一人で行くんじゃないかって思ったから二人で話して早く集合しようって約束して…」


すると天良がほんの一瞬だけ悲しそうな顔をして、



それでもすぐ私たちに少し困ったような笑顔を向けた。


「やっぱ二人には適わないよ。でももう何も落ち込んだりしてないから安心して。二人を見たら悩んでた事も吹っ切れた」

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